【薬剤師が解説】糖尿病と食事の関係ー何故、人は糖尿病になってしまうのか?

何故人は糖尿病になってしまうのか
なぜ人は糖尿病になるのか

こんにちは、薬剤師のODAです。

皆さんは、どんな人が糖尿病になりやすいか、

なんとなくご存じなのではないでしょうか?

そう、食べるのが早くて食べすぎる人!ですね!

では、何故食べるのが早いのがいけないのでしょうか?

何故、食べすぎると糖尿病になりやすいのでしょうか?

そして、どんな人が糖尿病になりやすいのでしょうか?

今回はそんな疑問について解説していきます!

目次

糖尿病と食事食事の関係

インスリンの分泌がない1型は全く違いますが、糖尿病の2型は、

食事によって、身体の正常な血糖値に対する認識が、少しずつ異常になっていく病気です。

糖尿病でない人の身体の正常な血糖値が100だとすると、

糖尿病を患っている人の身体の正常な血糖値の認識は140とか160だったりします。

その原因は、身体が血糖値の値140や160を正常だと刷り込み続けた食事にあります。

糖尿病と食事の関係

・糖尿病(2型)は食事が原因で起こる病気である

・食事が改善できれば、改善できる可能性がある

・食事だけでの改善は、改善する前に続けていた時間と同じ時間が必要と考えるべき

では、身体の正常な血糖値の認識を100に戻そうと思ったら、

実際の血糖値をできるだけ100に近づけて、それを刷り込みなおす必要があります。

血糖値を正常値に戻すのにかかる時間は、

異常値を刷り込み続けた時間と同じとみるべきでしょう。

血糖値が高い状態が5年だったのなら、戻すのにも5年でしょうし、

高い状態が10年続いていたのであれば、10年は戻すのにかかるとみるべきでしょう。

では、どんな食事が血糖値を140や160を当たり前にしてしまうのでしょうか?

糖尿病を引き起こす食べ方とは

糖尿病を引き起こす要因の一つに、食事の食べ方があります。

それは左図のような

血糖値が急上昇するような食べ方です。

この食べ方が体の正常な血糖値の

認識を歪めていくのです!

避けたい食べ方

・少量のおかずに大量の炭水化物

・短時間で麺類・丼物を食べること

・炭水化物だけを食べ続けること

ODAも昔は、少量のおかずで、どれだけ白飯を食べられるかとかをやっていました・・・

美味しいおかずで、ご飯を何倍も食べるのって気持ち良かったんですよね・・・

焼き肉屋さんで安く済ませるために、

お肉一切れでお米を食べまくるとかもやっていましたね・・・

でも、急激に血糖値が上昇するような食べ方はダメ絶対!です。

血糖値スパイク

急激な血糖値に対して、膵臓から分泌されるインスリンは、そんなにすぐには対応できません。

そして、逆に急に分泌を止めることも難しいのです。

そのため、血糖値は急上昇したのち、大量に分泌されたインスリンで、

今度は急降下するのです。その結果を連続させてグラフにすると、

まるで棘のようなスパイク状のグラフとなります。

これを血糖値スパイクと言います。

左図のように棘ができるような

血糖値の上下を繰り返していると

やがて、身体の正常な血糖値の認識

100から120へと増えていく!

血糖値スパイクが正常な血糖値の認識を狂わせる仕組み

・急激な血糖上昇後のインスリンが、今度は血糖値を下げすぎてしまう

 →低血糖を避けるために、身体は糖を脂肪等から作り出す

  →これの繰り返しが、身体の正常な血糖値の認識を狂わせる!

人間の身体にとって、生き残る、死なないためには、低血糖を避ける必要があったはずです。

逆に、人類の歴史の中で、高血糖が続く状態はほとんどなかったはずです。

一部の人間を除いて、飢えとの闘いの連続だったはずです。

そんな人類の身体が、高血糖に対応できないのも無理はないとは思いませんか?

対応できなかった結果が糖尿病です。

しかし、現代ではそのメカニズムが明らかになってきました。

そのメカニズムを理解して、改善に努めますか?

それとも、対応を怠って、糖尿病とそれによって引き起こされる

重大な合併症に苦しんでいきますか?

糖尿病って本当に怖いのかな?と感じる方は、下記の記事をお読みください。

インスリン + グルコース = 脂肪 ?

さて、今までは食事の食べ方のお話でしたが、ここからは糖尿病と肥満についてのお話です。

糖とインスリンの流れを示した図

上記の図のように、食事で得られた糖は吸収されて、血液に移動したあと、

膵臓から分泌されたインスリンとくっつくことで、肝臓や筋肉や脂肪組織に取り込まれます。

インスリン + グルコース = 活動エネルギー

人間の身体は、あまった貴重なエネルギーを必要な時に引き出すために、

本来はこのようになるはずなのですが、

インスリン + グルコース = 脂肪

つまり、余ったエネルギーを脂肪として蓄えるメカニズムを持っています。

これは、食事が摂れるときに時にしっかり摂って脂肪として保存をし、

食事が摂れないときに、脂肪を分解してエネルギーを得る仕組みなわけです。

これにより、食事が数日摂れなくても人類が命を落とすことがなくなり、

今の私たちがここに存在するのです。

さて、私たちのこの体、余ったエネルギーは脂肪として無尽蔵に貯蔵できるのでしょうか?

脂肪の許容量は人によって違う

ここで、ふと疑問に思われませんか?

世の中には、太っているように見える人と、太っているように見えない人がいるなと。

太っているように見える人は、糖尿病になりやすく、

太っているように見えない人は糖尿病になりにくい。

そんなイメージをお持ちではないですか?

ODAは結構最近まで、そう思っていました。

太っている人とそうでいない人の違い

・太っている人は、あまったエネルギーを脂肪として貯蔵している

・太っていない人は、そもそもエネルギーが余っていない??

 →そうとは限らない!ではどういうことなのか?

では、太っているように見える人と、

太っているように見えない人の違いは何かというと、脂肪細胞の数だそうです。

なんと、まさかの成人になると、脂肪細胞はもう増えることがないそうです。

つまり、太っているように見える人は、成人するまでに、脂肪細胞が増えていた人で、

太っているように見えない人は、成人するまでに脂肪細胞が増えなかった人ということです。

では、一つの脂肪細胞が無尽蔵に脂肪を蓄えることができるのか?

これは普通に無理そうな気がしませんか?

どのように想像をしても、限界はありそうですよね。

つまり、蓄えることのできる脂肪の許容量は人によって違うということです。

脂肪の許容量を超えると糖が取り込まれにくくなる

では、脂肪の許容量が限界に近くなった時、何が起こるのでしょうか?

インスリン + グルコース = 取り込まれず血中を漂う!

まさに、倉庫がいっぱいで、運ばれてきた荷物が外に溢れてしまっている状態ですね・・・

インスリンがきちんと存在しているのに、グルコースが取り込まれずに、血中を漂う状態・・・

どう考えても、血糖値として高い状態ですよね。

言い方はおかしいですが、これも立派な糖尿病です。

このインスリンが存在しているのに、インスリンの効果が出ていない状態を、

インスリン抵抗性と言いますまるで細胞がインスリンに対して抵抗しているようですからね。

インスリン抵抗性

・インスリンがきちんと分泌されているのに、血糖値が高い状態

・原因は、脂肪の許容量が限界を迎えている状態であること

食事によるエネルギー摂取が過剰な状態が続いて、

脂肪の許容量が限界に近づいていたら、自然と糖は血液中に溢れてしまいます。

つまり、食べすぎは糖尿病の素ということです。

そのため、糖尿病になると、カロリー制限を、運動をしましょうとなるわけです。

さて、ここでみなさんに質問です。

太って見える人と、太っているように見えない人、

食事によるエネルギーが過剰になる状態が続いてしまったときに、

どちらが糖尿病になりやすいと思いますか?

まとめ

  • 2型糖尿病は、食事の結果なってしまう糖尿病である!元に戻すには莫大な時間がかかる!
  • 炭水化物を短時間で摂取することは糖尿病につながる!
  • 血糖スパイクの継続が、身体の正常な血糖値の認識を狂わせる!
  • インスリンとグルコースが過剰になると脂肪として蓄えられる!
  • 脂肪の許容量は人によって限界が違う!
  • 食べ過ぎで脂肪の許容量が限界になると、インスリン抵抗性が生じる!
  • インスリン抵抗性の糖尿病では、カロリー制限と運動が重要である!

というお話でした。

食べ方、食べ過ぎは糖尿病の最も大きな原因です。

それぞれ糖尿病になり得ますし、もちろん両方供の方も多いと思います。

糖尿病は本当に怖い病気なので、皆さん本当に気を付けてください!

 

この度は、長文をお読みいただきありがとうございました!

もしよろしければ、今後とも応援のほど、是非ともよろしくお願いいたします!

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ODA 未来を創る薬剤師未来を創る薬剤師
メカニズム解明が大好きな薬剤師。もと有機化学の研究者。10年ほど現場の薬剤師と管理職を経験。病気等のメカニズムを分かりやすく伝えようと奮闘中!趣味は食べ物や化粧品の成分を考察すること。運動はするけれど、ある物が原因で脂肪肝・・・