【薬剤師が本気で解説】糖尿病の初期症状と糖尿病の怖さとは?

糖尿病の初期症状とは

こんにちは、薬剤師のODAです。

皆さんは、糖尿病という病気をよく耳にするとは思いますが、

その初期症状はどんなものかご存じですか?

正解は、初期症状はほとんどない!です。

なので、ODAのところに来られる患者さんも、危機感が乏しい方も多いです。

では、なぜ初期症状がほとんどないのでしょうか?

目次

糖尿病に初期症状がほとんどない理由

糖尿病は怖い怖いと言われているにもかかわらず、

初期症状がほとんどないというのは拍子抜けしてしまいますね。

糖尿病に初期症状がないのは

・糖尿病が時間をかけてジワジワと進行していく病気だから

・糖尿病による症状がでるまでには長い時間がかかる

・糖尿病を見つけるためには、血液検査が必要

どういうことかと言いますと、進行がとてもゆっくり静かなので、

症状が出るまでとても時間がかかります。

そもそも血糖値が高くても、身体は異常だと認識しないのです。

その理由は、現代のように飽食の時代でなければ、血糖値を高くして、脂肪を蓄えることは、

生き残るためにはとても大切なことだからです。

糖尿病の怖さとは

何となく不気味な感じがしてきましたね。

そうです、糖尿病は不気味で怖いのです。

糖尿病が怖い理由

・時間をかけて進行するため、初期症状がほとんどない

・自覚症状がでるのは約20年後!

・元に戻るには、そこまでかかった時間と同じ時間を戻すのに費やす必要がある

・身体は血糖値が高いことを異常だとは認識してくれない

糖尿病の最大の怖さは、その症状が20年後に取り返しがつかない形で出ることです。

仮に糖尿病であったにも関わらず、症状がないからといって、

20年放置をして、いざ症状がでたときには、もう手遅れなのです。

仮に戻そうとしても、同じ20年は見る必要があります。

だから、血液検査と早期治療が重要なのです。

血糖値とは

では、血糖値とはなんなのでしょうか?

血糖値は血液中に溶けているグルコースの濃度を示しています。

グルコースは別名ブドウ糖とも呼ばれます。

似たようなものに、フルクトースというものがありますが、

フルクトースとグルコースはそれぞれ役割が違います。

フルクトースは別名果糖とも呼ばれます。

血糖値が高いとどうなるのか?

・血糖値が高いと血液中のタンパク質とくっつきやすくなる!

グルコースが血液中のタンパク質とくっつくと、糖化タンパク質というものができます。

糖化タンパク質こそが、糖尿病が恐れられる最大の原因で、

恐ろしい糖尿病による色々な症状の元凶なのです。

糖化タンパク質とは

まず人間の身体は、栄養素でいえばタンパク質と脂質からできています。

この身体を構成しているタンパク質が糖化されるとどなってしまうのでしょうか?

糖化タンパク質の恐ろしさ

・神経のタンパク質が糖化されると、しびれ!(し)

・目のタンパク質が糖化されると失明!(め)

・腎臓のタンパク質が糖化されると腎臓が機能不全となり、人工透析!(じ)

・足先の血管のタンパク質が糖化されると、血流不全で壊死!(え)

・脳のタンパク質が糖化されると脳梗塞、認知症!(の)

・心臓の血管のタンパク質が糖化されると、心筋梗塞などの虚血性心疾患!(き)

これらは、「しめじ」「えのき」と呼ばれる、6大糖尿病合併症です。

どれも恐ろしいですね・・・

自覚症状がないからといって、放っておいて、

これらの症状が出てしまったときには、もとの生活や命を取り戻すのは難しくなります。

徐々にすすむ糖化タンパク質への置き換わり

・身体のあらゆるタンパク質が徐々に糖化タンパク質に置き換わっていく

 →皮膚はたるみ、黄色くくすんでいく

 →骨を支えるコラーゲンの糖化が進むと、骨折しやすくなる

 →髪のタンパク質の糖化が進むと、ハリツヤが失われる

皆さん、もうお気づきですね!

そう、これらは老化現象です!タンパク質の糖化とは老化そのものです。

つまり、糖尿病は老化促進病なのです!

ではその老化の進み具合を測る術はないのでしょうか?

じつはAGEsという物質を測定することで、老化を測ることはできます。

が、まだまだ発展途上の技術です。

ちなみに、AGEsは糖化最終生成物とよばれ、体内のタンパク質が糖化されたものです。

そのため、今ではまだHbA1cというもので、糖尿病を診断しています。

HbA1cとは

では、よく耳にするHbA1cは一体何を表しているのでしょうか?

HbA1cはだいだい一か月間の糖化タンパクの指標となる

・HbA1cはヘモグロビンという血液中のタンパク質の糖化率を表している

・ヘモグロビンは約一か月で、壊され作り変えられる

・血液中に存在するヘモグロビンの量は、基本一定

・タンパク質の糖化は糖の濃度が濃い方が起こりやすい

 →血糖値が高いとその分糖化されるタンパク質が増える

つまり、HbA1cというのは、その一カ月間に

どれだけ血糖値が高い状態が、長く続いていたかがわかるのです。

ODAはそれを、患者さんに対して「どれくらい糖が余っていたかを示す」と表現しています。

結局、血液中の必要以上の血糖が、HbA1cの数値を大きくしているからです。

糖を余らせないという意識が、血糖値の改善につながると考えています。

糖尿病にならないためには

では、糖尿病にならないためにはどのようにしたら良いのでしょうか?

肝心なことは血液中で糖を余らせないという意識

・過剰な糖の摂取をしないように意識をする

 →過度な炭水化物の摂取や、過度な炭水化物に偏った食事を続けない!

・急激な血糖値の上昇が起こるような食事の摂り方をしない!

 →ドカ食いや麺類、丼ものの頻度を限りなく少なくする

・過剰なエネルギー摂取を控える!

 →肥満は糖尿病を引き起こす原因となります!

・乳酸が溜まるような、筋肉の成長を促す運動を習慣にする!

 →筋肉は血液中の糖を消費してくれるので、糖尿病予防になります!

糖を余らせない意識をもった生活を平均的に続けることができれば、

おそらく大多数の方は、糖尿病と縁遠い生活を送れるのではと思います。

逆に、腸尿病予備軍や糖尿病と診断された方は、

糖を余らせない意識を強く、強く持ってください。

糖尿病は本当に恐ろしい病気ですので

まとめ

  • 糖尿病はジワジワと進行するため自覚症状が出にくい!
  • ジワジワと確実に進行するため、自覚症状が出た時には手遅れとなるのが怖い!
  • 血糖値が高いと糖化タンパク質を多く生み出してしまう!
  • 糖化タンパク質は老化の素で、致命的な取り返しのつかない6大合併症を引き起こす張本人!
  • HbA1cは、一カ月間にどれくらいタンパク質が糖化されたかを表す!
  • 糖尿病にならないためには、糖を余らせないという意識が大切!

というわけで、糖尿病は自覚症状がないからこそとても恐ろしい病気であるというお話でした!

この度は、長文をお読みいただきありがとうございました!

もしよろしければ、今後とも応援のほど、是非ともよろしくお願いいたします!

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ODA 未来を創る薬剤師未来を創る薬剤師
メカニズム解明が大好きな薬剤師。もと有機化学の研究者。10年ほど現場の薬剤師と管理職を経験。病気等のメカニズムを分かりやすく伝えようと奮闘中!趣味は食べ物や化粧品の成分を考察すること。運動はするけれど、ある物が原因で脂肪肝・・・