【薬剤師が伝えたい】女性に多い骨粗しょう症と糖尿病とリノール酸の関係

骨粗しょう症の解説表紙

こんにちは、薬剤師のODAです。

今回は骨粗しょう症のお話をしたいと思います。

骨粗しょう症は女性に多いイメージがありませんか?

それは、女性ホルモンが関係していて、女性の方が早く骨粗しょう症になりやすいからです。

今回はさらに、なぜ糖尿病だと骨粗しょう症になりやすいのかと、

あまり知られていない、骨粗しょう症と酸化ストレスの関係、

内因性酸化ストレスの原因である炎症を司るリノール酸についても、

お話していきたいと思います!

目次

骨はカルシウムとコラーゲンからできている

骨がカルシウムからできているというのは、もう皆さんがご存じのことと思います。

しかし、実はカルシウムは、コンクリートの役割を果たしているだけで、

実は、鉄筋の役割をはたしているコラーゲンが存在しているのです。

⇐骨は鉄筋コンクリートに似ている

しなやかなコラーゲン(鉄骨)

    

硬いカルシウムの塊(コンクリート)

こんなイメージを!

コラーゲンの体積量は骨の半分!

カルシウムについては意識があるけれども、コラーゲンには意識がなかった!

という方は多くいらっしゃると思います。

かくいうODAもコラーゲンの存在は、骨粗しょう症の勉強会に出るまで、

知りませんでした・・・知らずに薬剤師を5年くらいはやっていました。。

世間でも、骨密度、骨密度!とカルシウムについては、よく耳にしますが、

骨のコラーゲン!というお話は少ないのではないかと思います。

つまり、骨粗しょう症を防ぐには、カルシウムを意識するだけでは、

足りていないということなのです。

コラーゲンはお肌で意識しているよという方は多いと思いますが、

コラーゲン、つまりタンパク質を保って、守ることが、

骨粗しょう症においてもとても重要なのです。

骨の劣化を防ぐ女性ホルモン

骨粗しょう症は女性に多い印象を持たれている方が多いと思いますが、

実際に女性の方が多いのです。

女性の方が骨粗しょう症になりやすい理由は、性ホルモンが関係しているからなのです。

⇐骨は絶えず壊して作ってを繰り返す

破骨細胞が骨を壊す役割

骨芽細胞が骨を作る役割

性ホルモンは破骨細胞の
暴走を抑えている!

男性ホルモンも女性ホルモンも、コンクリートであるカルシウムを破壊する

破骨細胞の活動をうまく抑えてくれています。

この男性・女性それぞれの性ホルモンの分泌がなくなってしまうと、

骨吸収が進んでしまって、骨形成が追い付かなくなってしまうのです。

⇐男性と女性の年齢と骨密度

女性は閉経によって
女性ホルモンの分泌がなくなっていく

男性は老化とともに骨密度が下がる

男性と女性で差がでるのは、閉経時期です。

女性は閉経時期の10年間で、女性ホルモンの分泌がほぼなくなってしまいます。

そのため、破骨細胞の活動が抑えられなくなり、骨吸収が進んでしまうということです。

閉経が始まってからの十年間で、女性の骨密度は著しく下がってしまうのです。

この閉経後の骨密度の低下が、女性に骨粗しょう症が多い原因となっているのです。

ちなみに、骨密度は回復することはないそうです。

できることは、骨密度の低下を遅らせることだけです。

そのため、骨密度は、同年代比とか、若年比とかで表されます。

骨粗しょう症の確立を下げるためには、骨密度の低下を抑えるのが一つの手段であり、

閉経が始まる頃からの対策が必要ということになるのです。

糖尿病でコラーゲンが糖化される

次にコラーゲンの劣化についてお話しましょう。

コラーゲンはタンパク質で構成されており、

骨の体積に占めるコラーゲンの体積は、なんと 1 / 2 だそうです。

つまり、骨の半分はタンパク質で出来ているのです。

しなやかなコラーゲンが硬いカルシウムにしなりを持たせることで、

骨の頑丈さを保っているということです。

問題は、タンパク質は糖化が起きてしまうということです。

タンパク質の糖化を促進してしまう病気が、糖尿病です。

もちろん、糖尿病ではない人も、糖化は起こります。

捉え方によってタンパク質の糖化は、老化とも捉えることができます。

つまり、糖尿病は老化促進病ともいえるのです。

⇐糖化のイメージ図

メイラード反応

タンパク質と糖がくっつく反応

糖化されたタンパクは褐色になる

シワ、くすみ、たるみの原因

タンパク質が糖化されると、最終的にAGEsと呼ばれる最終糖化産物へ至ります。

AGEsが生成した段階のコラーゲンは、しなやかさを失ってしまっています。

しなやかさを失ってしまったコラーゲンを持つ骨は、

瀬戸物のような硬く脆いものになってしまうのです。

このコラーゲンがしなやかさを失うことが、骨密度からは判らない、骨粗しょう症なのです。

つまり、コラーゲンがしなやかさを失っていると、骨密度が高くても骨折しやすくなるのです。

よって、糖尿病は骨粗しょう症の原因の一つとなっています。

これはフレイルにもつながる話で、(フレイル:寝たきり一歩手前の状態)

足の骨折や、腰の骨の圧迫骨折は、痛みも相まって、外出意欲を低下させたりするためです。

外出する機会が減ると、使われなくなった筋肉は衰えますよね。

そうすると、ますますフレイルが近づいてくるのです。

改めて、糖尿病は怖いですね・・・

酸化ストレスとAGEsと骨粗しょう症

現在、酸化ストレスが骨粗しょう症を引き起こす要因であることが分かってきています。

酸化ストレス

・様々な理由で細胞等を活性酸素で攻撃してしまう状態
・活性酸素が生じすぎてしまう場合もあれば、防御力が下がってしまっている場合もある
・活性酸素の由来は炎症などの内因的なものから、外部刺激によるものなど、要因は様々
・全身のAGEsの生成を促進している糖尿病以外の因子

酸化ストレスは、骨芽細胞機能の低下を起こし、つまり骨形成を阻害することで、

骨粗しょう症を起こすことが、マウスの実験で分かっています。

また、炎症が起こった時に出てくる生理活性物質(炎症性サイトカイン)は、

骨吸収を行う破骨細胞を活性化することも分かってきました。

ちなみに女性ホルモンは、この破骨細胞の活性化を抑える役割を持っています。

つまり酸化ストレス下で、女性ホルモンが守ってくれていないと、

骨形成は抑えられ、骨吸収は進む一方ということになります。

さらに、酸化ストレスは、骨のコラーゲンに限らず、

全身のAGEsの生成を促進することが分かっています。

女性ホルモン低下 + 糖尿病 + 炎症 =
骨粗しょう症のリスクが非常に高い!

つまり、糖尿病を患っている閉経後の炎症を起こしやすい女性は、

骨粗しょう症のリスクが非常に高いということです。

では炎症を起こしやすい人とはどのような人なのでしょうか?

炎症を助長するAGEsとリノール酸

難しい言葉がたくさん出てきて、頭がおかしくなってしまいそうですね・・・

AGEsは、糖化タンパク質の最終形態で、AGEsの生成は老化現象の一つでした。

このAGEsは炎症に関わる生理活性物質(炎症性サイトカイン)を生み出すのを促進します。

つまり、長く糖尿病を患っている方は、AGEsが体の中に多くできてしまっていて、

炎症が起きやすい体質になっていると言えるのです。

ここで、リノール酸の存在です。(また単語を増やしてすみません・・・)

上の記事を読んでいただければ、リノール酸過多が炎症を起こしやすく、

動脈硬化のリスクを高めていることが分かっていただけるかと思います。

リノール酸の性質

・植物油中に多く含まれる → 植物油の加工品にも多く含まれる
・リノール酸カスケード(滝のような反応)でアラキドン酸へと変換される
・アラキドン酸は炎症の生理活性物質(炎症性サイトカイン)の原料
・アラキドン酸カスケードで、多種多様な生理活性物質をすぐに生成する

つまり、リノール酸過多は炎症を起こしやすい体質の主な原因となります。

糖尿病 AGEsの影響で炎症を起こしやすい

リノール酸過多 炎症を起こしやすい

糖尿病 + リノール酸過多
もの凄く炎症をおこしやすい

これは、骨粗しょう症だけでなく、動脈硬化や一部のがんにも言えることなんですが・・・

女性ホルモン低下 + 糖尿病 +リノール酸過多 =
骨粗しょう症のリスクが非常に高い!

となる訳です。

ちなみに、世の中恐ろしいぐらい、炭水化物+リノール酸で溢れています。

ショートニングマーガリンは植物油の加工品ですから。

コーヒーに入れるコーヒーフレッシュや粉ミルクもどきも、植物油加工品です。

包装紙の裏の原材料の確認は必ずすることをお勧め致します。植物油脂という言葉に注意です。

ここに砂糖が加わると、もうカオスでしかありません・・・

安価な菓子パン、衣のついた揚げ物、スナック菓子、安価なケーキやクッキーもですね・・・

余談ですが、バターやラードは値段は高いですが、リノール酸は少ないですからね。

ここに、清涼飲料水という名の果糖液が加わると・・・

もちろん、何を食べるのも個人の自由です。世の中に毒は売っていません。

リノール酸はそもそも体内で合成できない必須脂肪酸ですからね。

しかしながら、ご自身の食生活がどのような病気に繋がるのかだけは、

ODAは一生懸命お伝えさせて頂きたいなと思っております。

運動習慣と魚油で骨粗しょう症を遠ざける

正直、女性ホルモンが守ってくれている間は、少々何をしても大丈夫だと思います。

ちなみに、リノール酸は、トリグリセリドとして、脂肪細胞に普通に蓄えられるようです。

女性ホルモンのご加護が無くなった時、何が始まるのでしょうか?

ちなみに、糖尿病は若い頃に痩せていた方は、脂肪の許容量が少ないので、

インスリン抵抗性を生じやすく、特に注意が必要です。

若い頃は細かったという方は、まずは体内のリノール酸を消し去ることをお勧めします。

脂肪の減少はインスリン抵抗性も改善しますので一石二鳥です。

60代女性も続々とコミットしているマンツーマントレーニング

今の自分のレベルに合った重量や回数で快適なトレーニングを展開してくださるので、楽しく、しかも効果を実感できる。(70代女性)

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これらは、利用されている女性の方々の声です。年齢・地域はバラバラでの抜粋です。

費用は掛かりますが、その分教育がしっかりしていて、クオリティの高さが窺えますね。

首都圏(56店舗)以外の店舗でも教育とともに充実しているのが一番オススメできる理由です。

ライザップ 首都圏以外の店舗一覧

ムキムキマッチョになる必要も、スレンダーボディになる必要も全くないと思っていますが、

正直、手段はなんでも構わないので、ODAが指摘したリスクがある方には、

確実にリノール酸を減らして、間違いなくインスリン抵抗性を下げて欲しいのです。

知識がどれだけあったとしても、一番難しいのは実践することですので。

リノール酸の暴走を抑える、魚油中のEPAとDHA

いやいや、そんな急には運動習慣を始められないよ!という方は、

魚油の摂取の習慣を見直してみてください。

魚油中のEPAとDHAはリノール酸の暴走を抑える働きを持っていますので。

定期的なお魚習慣

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魚は好きなんだけれど、魚を選ぶことや調理が面倒だという方にオススメです。

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ピンポイントで海鮮丼を食べたいなという方にオススメです。

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ちなみにODAは、

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このユニマットリケンのサプリメントをよく飲んでいます。

理由は、α-リノレン酸が多く入っているのと、

夏は魚に脂肪が少ないなと思ってしまうからです。

α-リノレン酸が少ないと、ODAは汗をかくと痒くなってしまうんですよね・・・

というわけで、若いころより脂肪が増えてしまって、

炭水化物とリノール酸の摂取が多いと感じる方は、本当に早めの対応が必須です!

まとめ

  • 骨の体積の半分はカルシウムで半分はコラーゲンからできている
  • 女性ホルモンは骨粗しょう症にならないように守ってくれている
  • 糖尿病はコラーゲンが糖化されてAGEsを生み出しやすくなる病気
  • 酸化ストレスの一つの炎症とAGEsが骨粗しょう症をより進行させる
  • リノール酸は炎症を助長し、AGEsと閉経が合わさると色々な病気のリスクが増大する
  • AGEsの発生とリノール酸の暴走を抑えるには、まず運動と魚種摂取の習慣から

というお話でした。

もちろんこれは、男性にも言えるお話です。

ただ、男性は女性より、性ホルモンの減少が緩やかなので、

年齢が進んでからになるので、余計気付きにくいということは言えます。

そして、気づいた時には、もう大分手遅れということになります。

20年後、30年後のために、自分の体に投資をするという意識は、

とても大切なことかなと思います。

この度は、長文をお読みいただきありがとうございました

もしよろしければ、今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします

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ODA 未来を創る薬剤師未来を創る薬剤師
メカニズム解明が大好きな薬剤師。もと有機化学の研究者。10年ほど現場の薬剤師と管理職を経験。病気等のメカニズムを分かりやすく伝えようと奮闘中!趣味は食べ物や化粧品の成分を考察すること。運動はするけれど、ある物が原因で脂肪肝・・・